電車の中で、座っているわたしの前に、就職活動中らしいスーツ姿の女学生2人。

「影響を受けた本って何て答える?何かある?」

「わたし『インパラの朝』かな。」

うーん、なかなかいいチョイスだな。と思うわたしの鞄の中には「愛と憎しみの豚」、同じ中村安希さんの作だ。

豚もいいよー、と心の中で思いつつ、ぐっと澄ました顔で耳を澄ませる。