恋心の追悼

少し前に、須賀敦子さんの書簡が発見されたという記事が出ていた。

もう私の恋は終りました。その人をみてもなんでもなくなってしまった。これでイチ上り。一寸淋しいきもちだけど しずかで明るいかんじも戻ってきました。

わたしもほんとにそんな感じで、恋そのものよりも、死んでしまった恋心を哀れに思う。そして、「しずかで明るいかんじ」もそのとおり。

 

 

横浜で開かれていた展覧会には既に行った後だったが、青いインクで書かれた須賀さんの書簡、ちょっと丸くて端正な文字の連なりに、須賀さんのことを偲んだことだった。