贈り物

クリスマスに(?)チャイコフスキーのCDをいただいて、何かお返しをしようと思う。

クラシック好きな方なので、わたしもCDを、と思ったが、聞くところによると膨大なコレクションをお持ちらしいので日和って本にした。

「パリ左岸のピアノ工房」。何年か前にすごく楽しく読んだ、長編エッセイ。これを読むとピアノ買いたくなるのでご注意を。

気に入っていただけるといいな。(ただしあまり面識が無いので自信が無い。)

惜しい

「火山のふもとで」松家仁之さん、読了。

 

読み始めから文章のリズムに魅了されて、もったいないと思いながらちびちびと読んで、最後が淋しい終わり方だったのが惜しい。でもこの静かな文章にはそれもありなのかな。

 

設計事務所で、図書館コンペ用にデザインをする。そのなかで「いちばん記憶に残っている図書館は?」と尋ねるシーンがあった。主人公が思い出すのは、木造で別館になっていた小学校の小さな図書館。

わたしが思い出したのは、小学校の小さな図書室。壁際には背の高い本棚が並ぶのだが、窓際には窓の高さまでの本棚があって、ひんやりした石の天板にお行儀悪く登って、窓枠に腰掛けて柱に背をもたせて本を読むのが好きだった。ある日同級生に、先生に言いつける、と騒がれたのでやめてしまったが。これも今思うと惜しい。

 

 

昨年はクロアチアを旅して、古い城砦跡の海に面した窓にやっぱり登って座り込んで、半日本を読んでいたのだった。懲りてない。↓この窓。

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ノーベル文学賞、アリス・マンローでしたね。

昨夜半にこのニュースを読んで嬉しくてみんなに言って回ってしまった(出張・徹夜仕事中だった)。マンロー読んでる人はいなかったけど、そんなの気にならないくらいに。

ハワイイ紀行とか

好きな読書ブログに本棚の写真が載っていて、

池澤夏樹さんの文庫が入ってるのを見て読み返したくなった。

 

南の、海のある話がいいな。

夏の朝の成層圏とか、マシアス・ギリの失脚とか。

ついでに久しぶりにタコカレーも作りたい。

Sarah's key , Tatiana de Rosnay

 

 

大戦中にパリに住んでいたユダヤ人の少女、大規模なround upで連れて行かれる際に、小さな弟を戸棚の中に隠して鍵を掛けていく。すぐに帰ってきて出してあげるつもりだった。ここにいれば安全だと思った。

少女の話と、現代のジャーナリストの話が交錯して進むのだが、そのジャーナリストと同じく、わたしの胸も少女のことでいっぱいとなり、締め付けられる。その苦しみと悲しみを、忘れないと伝えたいと願う彼女。

 

力のある物語を、誰もいない、閉店したカフェのオープンスペースで読んでいた。半地下の天窓から降り注ぐ光と雨。彼女はいつかこの全てを思い出すだろう、そんな文章を読みながら、わたしもいつかこの物語をここで読んだことを思い出すだろう、と思った。湿った空気と、淡い光と、ほろ苦いコーヒーの味と、この胸の痛み。

 

だめ人間

元気なつもりだったけど、引き続き八本脚の蝶を引き摺っていたようで、塞ぎ込んで仕事に打ち込んで、一週間で激痩せしたわたしです。疲れきって、なんでもないのにほろほろと涙目になってました。(自分が悪いのだが。)

今日はさすがにあかんなー、と思って、一日家でぐーたらしてました。あーダメ人間。