どちらにせよ空の色か。

「奇貨」松浦理英子さん、読。

 

表題作「奇貨」は40代半ばの男性、「変態月」は女子高生、という語り手の差はあるのだが、とくに「変態月」は、以前の「ナチュラルウーマン」や「セバスチャン」を思い出させる。

女子高生の頃ってわたし、どうしていたかな。

中学の頃は松村英子さんの「僕はかぐや姫」なんかを好んでいて、かといって一人称を僕というほどには染まれなかった。中学は夕暮れの橙色あるいは夏の空の青、高校は(こう書くとありきたりなのだが)曇り空の灰色。